日本では、地元で栗原光峯先生主宰の書き方教室「和楽書院」に通っていました。硬筆で1年、出発直前の3カ月くらい前から毛筆も習い始めました。書道師範の資格も持つ妻は文字がとてもきれいで、丁寧に書くので公式な文書は妻に書いてもらっていますが、私は文字が見苦しく、コンプレックスでもあります。
日本にいるときほど日本語に触れる機会は少なくなりますが、娘にはきれいな文字を書いてもらいたいと考えています。なので、出発前に栗原先生から「リモートでお習字続けましょうか?」と言われたときにはとても喜びました。
オランダについて3週間目、日本のお習字の時間に合わせた土曜日の午前8時。第1回目の「リモートお習字」が始まりました。
iPadでこちらの手元を見せながら先生に添削してもらいます。「もっと筆を立てようねー」「墨はつけたー?」「そうそう、その調子ぃー」変わらぬ優しい声掛けで指導してもらいました。iPadの角度を変えたり、硯に墨を補充したり、少しだけ手助けしながら傍に立っているとどうしても口を挟みたくなります。「手の添え方が違うよ」「もっと墨をつけないと!」って、言いたくなるのをぐっとこらえて飲み込みます。
今日の課題は「こめ」。基本中の基本「とめ、はね、はらい」を含む大人でもきれいに書くのが難しい文字ですが、栗原先生は「腕や手先の使い方をマスターするのが大切」といい、半紙いっぱいに大きく書くように指導してくれます。
コロナ禍以降、いろんなことがリモートで実現できるようになりましたが、「書道」までも、国や時差を超えてできるようになったというのは、本当にありがたいと思いました。
それにしても10年前に買ったiPadが大活躍。いまだ問題なく使えるのもすごい。