日本の不動産屋さんと交わす賃貸借契約書と大きく変わりはないです。ただ、ここに至るまでの苦労や大きな違いは、以前のエントリーで何度も触れました。

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「最低12カ月の契約とする」「以降は自動的に更新する」「インターネットはサービスに含みますが、電力と水道は別途契約してください」など、日本のアパートとよく似た契約書です。ひとつだけ見慣れない項目として、「1年ごとに、家主は最大2.4%の賃料値上げをできるものとする」とあります。

日本ではよく「2年毎の更新時に家賃の1カ月分」を請求されたり、更新時に賃料値上げがなされたりしますが、こちらでは、(多分ですが)消費者物価指数(CPI=Consumer Price Index)の年率に則って賃料も値上げされるのが一般的なのだと思います。考えてみればごく自然なルールにも思えますが、あくまで憶測なので機会があれば不動産業者に聞いてみます。

エネルギーラベル?

この建物の住居は「化石燃料は使っていない(Fossil Energy Free)」という謳い文句もありました。そもそもガスは開通しておらず、日本で言う「オール電化」住宅です。加えて、構造物の断熱や換気などへの配慮、太陽光エネルギーの設置などを評価した「エナジーラベル」という評価書が添付されていました。

エネルギーレベル

建物の所有者は、購入者や賃借人にこの「エナジーラベル」を提示することが義務付けられているのだそうです。AからGまでの7段階で、この建物は上から2番めにエネルギー効率の高い「B」だとのことで、暖房費がかさむ冬の電気代がどれくらいになるのか、楽しみです。

ハウスルール

賃貸借契約書とは別に「ハウスルール」という、具体的に「○○してはならない」項目がずらーっと記された書類も渡されました。

「共用エリアに私物を置いてはならない」「窓に広告物や政治的メッセージを掲示してはならない」「窓辺に洗濯物を干してはならない」「ペットを飼ってはいけない」「室内でスケートボードをしてはいけない」など…やってはいけないことがずらーっとならんでいます。「平日の22時から翌8時、週末の23時から翌9時は洗濯機を使ってはいけない」という、この建物固有のものか、オランダでは一般的なルールなのかはわかりませんが、こちらも、まあ納得できる内容です。

そうそう、「歴史的遺産の建築物なので、清潔を保って使って」とか、「適切に室内を使っているかどうか確認のために、年に一度程度室内に立ち入ります」という条文もありました。

平面図と立面図も来ました

47平米という小さめのアパートですが、詳細な平面図と立面図も届きました。実際の施工図面までの落とし込みはないですが、床の素材や壁の色まで書き込んである、かなり詳しいものです。約1カ月前に施工途中で現地を確認もしましたが、屋根の傾斜がそのまま室内に反映される「ほぼ屋根裏部屋」なので、ボリュームのある梁が室内に露出した特徴的なデザインです。

存在感の強い太い梁が室内に

以前、家族3人で商店街のアパート(45平米)で暮らしたこともあるので、窮屈さは感じないと思いますが、天井に向かって狭くなる独特の空間が、快適さにどう影響するのかも楽しみです。

費用は

家賃のデポジット(敷金)が約€1,400(付帯サービス約€150込)と、月の半ばから住み始めるので半月分の約€700を合わせた€2,100を家主に、不動産業者には手数料として約€55ほど振り込みました。ここで気づいたんですが、不動産業者への手数料€55って極端に安くないですか?。不動産業者は、毎月の家賃からなんらかのマージンも受け取るのかもしれませんが。

日本では、意味不明な「礼金」と呼ばれるものが、大抵家賃の1〜2カ月分請求されて不動産屋さんに渡りますよね。場合によってそのほかに「敷金」や「前家賃」などが掛かり、結局入居前に4カ月分くらいのコストを覚悟しなければいけないというのが一般的かと思います。

家賃は当初イメージしたものより高めですが、こういう理にかなったオランダのシステムは歓迎です。

サインは?

そうそう、日本での賃貸借契約には「印鑑」が必須ですよね。でも、当たり前ですがこちらはサイン文化です。契約書のサイン記入欄には、「パスポートと同じ漢字」を記入するのか、普通に「筆記体のアルファベット」を記入するのか悩みました。

仮住まいオーナーに相談したところ「うーん、よくわからない」とのことで結局「漢字と筆記体と両方」記入して(笑)返信しました。

各ページのスミにイニシャルを

後で気づいたのですが、契約書自体が数十ページに及ぶので、各ページにサインも求められていました。「そこは、目を通したっていう意思の表明だからサインじゃなくてイニシャルだけでいいよ」と教えてもらいました。またひとつ勉強になりました。