学校の送り迎えには公共のバスを利用しています。学校に行くのに日本の「ランドセル」のような荷物はありませんが、とかく荷物の多い(誰を真似たのか?あるいは誰の遺伝か?)娘はバッグの中にサングラス、ヘアブラシ、色鉛筆、帽子、帰りに食べるおやつ…などなど詰め込んでいます。
ある朝、学校に向かうバスを降りた瞬間「あ"ーーーっ!!」と叫ぶ娘。
私「え?え?どうした?」
娘「忘れた」
私「何を…?」
娘「バッグ…」
私「家に忘れたの?」
娘「バスの中に」
おぉーまいんほっど!!(オーマイガ!のオランダ語)
無くしたものがほぼそのままで戻ってくる日本と違い、ここはオランダ。基本的に優しい国民性ではあるというものの、ものを置き忘れたらそのまま帰ってこないと思うほうが賢明。
とはいえ、バスの忘れ物がどこに集積されるのか一応ウェブサイトで調べてみると、なんとありました。
忘れ物をしたその夜にこのサイトを見つけたんですが、サイトを更新するたびに蓄積されていく忘れ物の数々…。毎日何千本というバスの運行の中で、いかにたくさんの忘れ物がなされているのかがわかります。鍵とか上着とかバッグとかメガネとか、これがないと「困るやろ!」的なものが続々と。
日々、このページを眺めること5日目くらいで、我が娘のバッグが掲載されました。リンク先には「この拾得物があなたのものであることを証明してください」とあり、記入するフォームがあります。
「毎朝子供の学校への送り迎えのために、8時過ぎの○○発のバスに乗り〇〇で降りています。確か○日の便に乗り、バッグの中にはサングラスと帽子が入っているはずです」みたいなことを送信すると、夜中にも関わらず30分くらいで「あなたのものと確認されました」とメールで返事が来ました。
多分ですが、拾得物のセンターに物が届いたときに内容物などの特徴が記入され、それが画面には見えないキーワード化されていて、届いたメールとの整合性をAIが判断して「あなたのものと…」と自動で返信してるのだと思われます。スピーディで合理的なシステムだなと感心しました。
ただ、人員不足なのか、窓口での受け取りは月・火・木・金の9時〜13時30分に限られています。
拾得物は送ってもらうこともできるみたいですが、せっかくなのでそのセンターに行ってみました。具体的な住所は示されていますが、そのセンター入口には、ここが拾得物を預かっているという表示はどこにもありません。
呼び出しボタンを押していいものかどうかあぐねていると、ドアの内側を通りかかったバス運転手らしきお兄さんが「なにかピックアップに来たんでしょ?、ついておいでよ」と言って中に入れてくれました。
窓口に行くと、おじさんが一人で拾得物の山を整理しています。
私「1週間くらい前にバスの中に子どもがピンクのバッグを忘れたんよねー」
おじさん「どんなバッグ?」
私「ピンクの、小さなこれくらいの…(手で示しながら)」
おじさん「あー、これかな」
私「あー、それそれ!!」
おじさん「整理番号教えて」
私「(やってみたメールを表示させながら)えーっと、ホニャララホニャララ」
おじさん「Collect!、じゃあどーぞ」
ものの2〜3分で取り戻すことが出来ました。
荷物が多いくせに忘れ物も多い我が娘をしっかり叱って、二度と忘れ物をしないようにしたいものです。まあ再犯はあるだろうけど。
追記: 新学期に狙いを定めたように各地で交通ストライキが行われており、バス会社のEBSもバスターミナルに行くと「ストライキでバスの運行をキャンセルしました」という地味な表示するだけで「こんにゃろー」って思っていましたが、今回のことで少しだけ見直しました。