ドイツに世界最古のモノレールがあると知って、どうしても乗ってみたいと思っていました。いろんなブログや旅行情報サイトで見るそれは、川の上を跨いだ鉄骨によって一本の線路を空中に敷設し、吊り下げられたモダンなデザインの車体を、機関車のような鉄の車輪で駆動する個性的なものです。路線のほとんどが川の上を走るという、フォトジェニックな見た目も旅気分を盛り上げます。

地元の小倉にも、JRの駅舎「小倉駅」に北九州モノレールが突入するというフォトジェニックな風景が評判で、海外からの観光客にも人気らしいです。乗り物目当ての観光というのは古今東西人気コンテンツなんでしょうね。

さてこのヴッパータルの空中鉄道は、Wikiによると

1901年に開業した、「ランゲン式懸垂鉄道」とあります。両端の終着駅のほかに18の駅があり、終着駅に着くと、一般的な電車のように先頭と後端の運転席を入れ替わるのではなくて、車両自体がぐるっとUターンして先頭車両がそのまま反対路線の先頭になります。路線はまるで、犬の骨のアウトラインのような形とも記述されています。

一本の鉄の線路に車輪が乗り、それをギヤで駆動する様子をすぐ間近に見ることができます。開業当時からほぼ変わらないその駆動方式と、最近のデザインなモダンな車両とのコントラストも素敵です。

路線は全線ほぼ川の上を走ります。市街地から住宅エリア、工場などが並ぶ産業ゾーン、終着駅近くのスタジアムなど、ドイツの地方都市の風景が凝縮された車窓の眺めも素晴らしく、乗客の半数くらいが観光客のように見えました。このあと乗ったタクシーの運転手は「(モノレールは)生活の一部だから、これに乗りに来る観光客が多いのは面白いね」と言っていましたが。

以下、余談…。

5人分の荷物を先頭車両で預かりつつ、取っ手に固定したGoProで前方風景を撮影してて、いざ降車するときになったら荷物に気を取られてGoPro撤去するのをすっかり忘れてました。ホームを降りて地上のお土産を買って手元にGoProが無いことに気づきました!
その駅で折り返し運転なので、降車時にすぐ気づいて車両に向かえば間に合ったんですが、もう発車してしまってあとの祭り。逆方向でまた折り返すはずなので、次発で向かい、終点の一つ手前で先行車両に乗ればもしかしたら取り戻せるかも。でもそのときにGoProがそこにある保証はないし…。

と半ば諦めかけていたら、妻が乗ろうとするモノレールの運転手さんに声をかけてみました。
妻: 前の車両のここにカメラを取り付けて降りてしまって困ってるんです。
運: あーワシは英語喋れんのよ。
妻: (翻訳アプリでもう一度説明)
運: そっか、ちょっと待っとけよ。連絡してみるから。
そこでモノレールは発車
5駅くらい過ぎたところで、運転手さんが顔を出して
運: 終点のひとつ手前の駅で反対側に行けば、さっきのモノレールがおるけん、そこでその運転手が渡してくれるって言いよったで。幸運を祈る。(みたいなこと言ったと思う。なんせドイツ語で、運転中に席を外れて説明してくれたのでバタバタ)

で、その目的の駅で反対側のホームで待つこと3分。やってきた車両に乗り込むと運転手さん席から顔を出して、「これやろ」っとさくっと渡してくれました。

まじですごい!90%くらい諦めたGoProが返ってくるなんて!ガツガツ交渉した妻と、ぼちぼちの精度の翻訳アプリと、善良なドイツ市民の皆さんの感謝です。ドイツって美味しいものあんまりないし、楽しめないなと思ってたけど、撤回します。
I love you all, German!

感のいい方はお気付きかもしれませんが、降車後もGoProはまわってて、貴重な旋回時の風景や、GoProを外してくれた運転手さんお顔とかが映ってるんじゃないかと…。

しかしながら、熱暴走したみたいで、わたしが外し忘れるずっと前に録画は止まってました。残念。